2010年07月09日金曜日
スウェーデンラジオは、6月23日、家具小売りの巨人、IKEAイスラエル店が、イスラエルの違法入植地には配送するが被占領西岸の都市には配送しない、差別的輸送を報じた。
スウェーデンラジオの駐イスラエル特派員、Cecilia Uddenは、彼女が、被占領西岸のパレスチナの都市、ラマッラに引っ越し、IKEAイスラエルのスタッフに、彼女の家具をそこに届けてくれるかどうか尋ねた、と説明した。彼女は、店のカウンタの後ろに、被占領の西岸・ガザ回廊・シリア領ゴラン高原の境界を全く示していない、巨大なイスラエルの地図があったと報告した。IKEAの輸送コストは距離に従って計算されるが、Uddenを驚かせたことに、ラマッラへの輸送は可能でなかった。しかしながら、店は、家具は被占領西岸中の多くのイスラエル入植地に届けることができると、彼女に知らせた。
国際法教授、Ove Bringは、スウェーデンのオンライン誌、Stockholm Newsに、IKEAの政策はパレスチナ人を差別すると説明した。加えて、輸送政策は、ウェブサイト上に発表されている会社の行動規範にも違反する。
IKEAは、Uddenの報告に、輸送のため地元運送会社に依存するが、それが地元規則に縛られると述べた。しかしながらBringは、会社の主張に異議を唱え、IKEAが、運送会社が製品を要求するすべての顧客に本当に配送できないかどうか調べなければならないと述べた。実際にUddenが、彼女の家具をラマッラに届けられない理由について、運送会社の返答を要求したとき、彼女は、イスラエル軍が被占領西岸のパレスチナ社会の顧客への配送を禁止すると知らされた。
2004年の歴史的勧告意見で、国際司法裁判所は、被占領西岸のイスラエルの違法入植地を正常化する活動の違法性を強調した。(略)
全文:The Arab American news.com
結局のところ、イスラエルに出店するなら、経済活動の追求にばかり専念できない。否応なくイスラエルの政策に巻き込まれざるを得ない。イスラエルへの出店を計画する「無印良品」(「血印悪品」のバナーの写真をどこかで見たような...)もまた、家具を商う以上、配送の問題はついて回る。国際司法裁判所が違法性を指摘する行為に「MUJI」も深く関わることになる。「シンプルな暮らし方」を「ご提案」する企業は「シンプル(誠実な)」じゃない。
ところで、遅ればせながら、良品計画に送った書簡への「良品計画」からの返答は以下(氏名部分をmizyaに変えて):
拝復
新緑の候、mizya様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は、貴重なご意見ありがとうございました。
いただいたご意見に対しまして、以下ご回答申し上げます。
世界には、ご意見をいただいた内容も含めて多くの紛争が存在していることは認識しております。
しかしながら、一貫して弊社の願いは、紛争の原因となっている諸問題と離れ、世界中のできるだけ多くの生活者の方々に「無印良品」の商品を通じ、当社の考える「シンプルな暮らし方」をご提案し、ご満足をいただくことという立場にございます。
また、それこそが弊社が日本を出て世界中でビジネスを行う意義だと考えております。
本日現在、欧米・アジアに、121店舗の無印良品を展開しておりますが、今後も新規の国や地域に店舗網を拡大して参りたいと思います。
前述の背景をもとに、今回の取り組みの実行についてご理解を賜りたいと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、mizya様の益々のご健勝を祈念致します。
敬具
株式会社 良品計画
お客様室 矢部