2011年09月07日

イスラエルは自ら孤立する

ロジャー・コーエン
2011年09月05日

ロンドン − ここに、昨年のトルコ旗を揚げたマヴィ・マルマラ号に対するイスラエルの襲撃に関する国連報告が、乗船していた19歳の米国市民の殺害について書かなければならなかったものがある:

「少なくとも殺されたもののひとり、Furkan Doganは、非常に近距離で撃たれた。Dogan氏は、顔、頭蓋骨後部、背中、左足に負傷を被った。それは、死因となる発砲を受けたとき、その趣旨の目撃者報告で示されるように、彼が既に負傷で倒れていたと示唆する」。

ニュージーランドの元首相、ジョフリー・パーマー卿により主導された4人のパネルは、処刑かそれに近い何かの可能性を提起するこれらの言葉で現れる。

ニューヨーク州北部で生まれたDoganは、高い目標を目指す医師だった。政治には殆ど関心がなく、彼は、ガザ行き船で旅する抽選に当たった。報告は、彼と殺された他の8人について、「死亡した誰も凶器で武装していたと証明する証拠は提供されなかった」と述べる。

わたしは、昨年アンカラで、Doganの父親、カイセリのErciyes大学教授、Ahmetに会った:彼の悲痛は、米国の回避での彼の狼狽と同じ程深かった。外国勢力の軍隊により至近距離での、米国市民の公海での殺害が、そうした奇妙なアメリカの沈黙を思いつかせるいかなる他の状況も想像し難い。

トルコの上級官僚たちは、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相が、オバマ大統領に、Doganの死を提起したと、わたしに告げた。しかしもちろん、イギリスのデヴィッド・キャメロン首相が語ったこと:「ガザ小艦隊に対するイスラエルの攻撃は完全に容認できない」と語る、米国大統領、確かに第一期米国大統領はいない。殺されたアメリカ市民がいてさえ、イスラエルについてそうした疑問を挙げるのは、政治的禁忌。それでそれは、イスラエルに向けた米国外交政策、概して内政方策の外交政策のタブー散らかす袋小路に入る。

(略:既投稿記事参照)

総合的にいえば、委員会は、イスラエルが「適切な遺憾の声明」を発表し、「死亡や負傷の被害者とその家族たちのために支払いすべき」と認める。

そう、イスラエルは、ますます孤立し、まさしくそれをしたほうがいい。謝罪は、正しい針路であり、賢い針路だ。エジプトにとってよいこと - 失われた命への謝罪 - は、トルコにとってもまた、よい。

イスラエルとトルコは1年以上話してきた。トルコ外務省の上級官僚、 Feridun Sinirliogluは、多くのイスラエル官僚らに会ってきた。 時には、合意に近づいこともあった。イスラエルの防衛大臣と情報大臣、エフード・バラクやダン・メリドールは、謝罪のため事件を論争してきた;タカ派を率いる外務大臣、アヴィグドール・リーバーマンは、イスラエルは決して折れないと語り;ベンヤミン・ネタニアフ首相は、彼の指を風にさらした。結局、彼らはこの見下げ果てたイスラエル政府にかしずき、リーバーマンと極右が勝った。

「それは、連立の斟酌が戦略的思考を負かす典型的事例で、悲劇だ」と、イスラエル政治学者、Shlomo Avineriは、わたしに告げた。「国連でのパレスチナ問題、新エジプトとの関係を考え、我々は戦略的知恵を使い得た」。

そうだ。その代わりに、リーバーマンとその同類に牛耳られ、攻囲の精神状態に閉ざされて - 尊厳と自由を要求するアラブにより駆り立てられる、中東の変化を把握する不能、入植地拡張の強情、謝罪の米国催促の無視 - イスラエルは、ムスリム最良の友人、トルコを失う。先週のイスラエル大使の追放は、予知された崩壊だった。

(略)

全文:The New York Times
posted by mizya at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | article | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする