2012年02月20日

ハデル・アドナーンから手を引く:EUのキャサリン・アシュトンの曖昧な言葉へのわたしの返答

アリ・アブニマ
2012年02月17日金曜日

今日、わたしの同僚、デイヴィド・クローニンは、ハデル・アドナーンの境遇に関するコメントで、EU上級代表、キャサリン・アシュトンの反応の曖昧な言葉について書いた。これは、わたしが彼女に電子メールで送ったわたしの返答だ。

欧州連合上級代表
Ms. キャサリン・アシュトン
To: catherine.ashton@ec.europa.eu

拝啓、アシュトン殿、

わたしの同僚、デイヴィド・クローニンが、最初に要請した48時間後、あなたの報道官は、イスラエルによる恣意的拘留に対し、今や、ハンガーストライキの62日目の、ベッドに繋がれて今にも死にいくハデル・アドナーンの苦境に関する声明を発表する時間を見つけた。

アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、カーター・センター、そして世界中の数えきれない市民社会集団が、イスラエルに、アドナーン氏、同様に、イスラエルにより現在捕らえられている、パレスチナ立法議会の選挙された議員、21人を含む「行政勾留」にある他の300人以上の、即刻の解放か刑事告発を要請してきた。

しかし、あなたはそれをしなかった。代わりにあなたは、ハデル・アドナーンから手を引き、そして、ハデル・アドナーンが、圧倒的イスラエルの弾圧に対して、その権利のために立ち上がるパレスチナ人の絶望的決意の象徴となったからには、あなたは、パレスチナ人すべてからもまた、手を引いた。

アドナーンが数週間前に書いたごとく:

「イスラエルの占領は、わたしたちの民衆に対する、ことさら囚人に対する、極度に行った。わたしは、理由もなく、尋問者により、自尊心を傷つけられ、殴られ、嫌がらせを受け、したがってわたしは、わたしと仲間の囚人何百人もが犠牲に捕われる行政拘留政策と闘うと神に誓った」。

あなたと「国際社会」の他のメンバーに向けて、彼は書いた:「わたしはこれにより、世界と国際社会が傍観する中、個人としてわたし自身のためでなく、最もシンプルな人権を奪われている囚人何千人ものため、わたしが占領勢力と対決していると主張する」。

「国際社会と国連は、囚人を支援し、国際的人権を尊重し、あたかも人間でないかのように囚人を扱うことを止めるようイスラエル国に強いる時である」。

しかし、あなたは視線をそらすと決めた。あなたの曖昧な言葉の声明は、単に「イスラエル政府に、アドナーン氏の健康を維持し、かつ国際法下、すべての法的義務に従ってこの件を扱うために、すべてをするよう要請する」。あなたは、行政拘留を使用するイスラエルの権利を認めさえした。

この「件」とは何か? アドナーン氏が、12月17日午前3.30に、自宅から拉致されたことを、わたしたち自身に思い出させよう。彼は、妊娠している妻、ランダと幼い娘ふたりから、連れて行かれた。彼は、長く過酷な尋問、屈辱、虐待にも拘らず、刑事犯罪で告発されなかった。これが、彼をハンガーストライキに向かわせたものだ。彼は、クリスマスの1週間前以来、食べていない。

ランダは、水曜日、夫に会う最後となるかもしれないときのことを説明した:

「義父は、彼に言った:『わたしたちは、おまえに生きていて欲しい。この国を、おまえひとりでくじくことはできない』。彼(父)は、彼(息子)に、ストライキを止めるよう望むと告げた。わたしは、ミルクを1杯飲むよう望むと、彼に告げた。でも彼は言った:『ぼくは君からこれを聞くとは思わなかった。君が、常にぼくと共にあると知っている。どうかそれを言わないで.... 』わたしは夫を知っている。彼は意向を変えないでしょう。彼は死ぬつもりなのだと思う」。

彼はまだ生きており、また、彼は生きることを欲する。ランダ・アドナーンは、夫が弁護士のひとりに告げたことを思い浮かべた:「ぼくは、忘却や死に行きたくはない。しかしぼくは、自由を護る男だ。ぼくが死ぬなら、それがぼくの宿命だろう」。

あなたは頻繁に、「人権」こそがあなたの政策の中心と主張してきた。しかしわたしたちは、いかなるそのような声明も、星印(注釈)付きと知っている。パレスチナ人はそのような権利から除外され、イスラエルは、いかなる責任からも免除される。あなたは、今日再び、それを証明した。

このすべてをなす、より嫌悪を感ずることは、ガザへの致命的封鎖と占領を強化するため、武器を纏って捕虜となった兵士、ガザに捕われていたイスラエル占領兵士の解放を要求する機会を、あなたが惜しまなかったことだ。

恐らく仮に、ハデル・アドナーンが、家族と共に自宅にいた父親であった代わりに、武装したイスラエル占領兵士であったなら、あなたはより多くの共感を抱いたことだろう。

わたしは、ハデル氏を救うことができるという望みを失っていない。わたしは、あなたのような人びとが従う代わりに主導する日を夢見る。しかし恐らくそれはあなたの職能でない。

わたしにまだ希望を与えるのは、ヨーロッパの至る所、世界の至る所の人びとが、自宅に戻ることができるよう、イスラエルへのアドナーン解放要求に参加していることだ。

彼と彼の家族への彼らのメッセージのいくつかを読むなら、恐らくあなたは、あまりに悲痛に欠乏する、あなたの恥ずべき声明の人間性の何がしかを再発見するだろう。あなたの共犯を終らせ、この男と他の囚人すべてを、その残忍で、無慈悲で、非人道的で、EU-助成の占領から解放するようイスラエルに要求せよ。

敬具、
アリ・アブニマ


原文:The Electronic Intifada
posted by mizya at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | letter | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする