2012年02月21日火曜日
米国ジャズヴォーカリスト、カサンドラ・ウィルソンは、パレスチナのボイコット呼びかけを尊重するよう彼女に促す、不買・脱資・制裁 (BDS) 活動家たちによる訴えに続き、ホロンのウィミンズ祭での今週末の演奏をキャンセルした。テルアヴィヴ行き飛行機に搭乗する予定だった直前、彼女は周知の政治的立場をとった。
イスラエル日刊紙、Ynet(ヘブライ語、翻訳)は、ウィルソンが「人権活動家として、わたしはイスラエルへの文化的ボイコットに共鳴する」と発表したと報じた。報道はまた、コンサート興行主らが、彼女に対する法的行為を考えていると述べた。
先週、ウィルソンへの訴えを立案したBoycott from Within(内部からのボイコット)活動家たちは、「イスラエル・アパルトヘイトの下での女たちの選択的地位向上を支援しない」よう、彼女に求めた。
カサンドラ・ウィルソンは、パレスチナ人に対する政府のアパルトヘイト政策のため、イスラエルに現われるのを拒絶した国際的学者、アーティスト、パフォーマーの伸びるリストに加わる。
原文とカサンドラ・ウィルソンのパフォーマンスヴィデオ:The Electronic Intifada
彼女の名、Cassandraは、トロイアの王女、カサンドラーと同じだ。
太陽神、アポロンが、愛の証に彼の力のひとつ、予言の能力をカサンドラーに与えたけれど、求めに応じなかった腹いせに、アポロンは、カサンドラーの予言が誰によっても信用されない呪いをかける。繁栄を誇示する外交訪問に、美貌の王子、パリスを派遣することに、カサンドラーは断固反対するけれど、耳を傾けるものはいない。
カサンドラ・ウィルソンと、「トロイアの女たち」のひとり、カサンドラー。蜷川幸雄率いる「トロイアの女たち」のイスラエル公演は、12月だから、まだ時間はあるとしても、いずれ、Boycott from Withinからのボイコット要請も届くだろう。ボイコットを要請するのも結構忙しくて、スケジュールが迫っているものからにならざるを得ない。そしてもちろん、マドンナのように、ボイコット要請などどこ吹く風、という輩もいる。まあ、ミスター・ブレインウォッシュ(バンクシー映画「イグジッド・スルー・ザ・ギフトショップ」参照、最初にバンクシーが考えていたタイトルは「クソのような作品をバカに売りつける方法」だったらしい)に、CDジャケットのデザインを依頼したというから「クソのような作品」を売りつけられた「バカ」というのはマドンナかもしれない。
アーカイヴ:活動家たちがイスラエルをボイコットするよう英国ミュージシャンに求める(01月20日)