Sarah Colborne
The Electronic Intifada
英国
2012年05月31日
マヴィ・マルマラ号へのイスラエルの攻撃は、パレスチナへの国際的連帯を強めただけだった。 (Eyad Jadallah / APA images)マヴィ・マルマラ号の活動家のひとりとして、わたしは、2年前の今日、公海上をガザに向かって航行していた非武装人道支援活動家たちへの、イスラエルによる攻撃に責任あるものらに対し、トルコが今月告訴を発したニュースに狂喜した。
イスラエル特殊部隊の手で、9人が殺され、189人が負傷した。マヴィ・マルマラ号は、パレスチナとの国際的連帯に対するイスラエルの暴力的応答が、イスラエル犯罪の現実を暴露した歴史におけるもうひとつのモーメントとなり、結果的連帯増大が、パレスチナの公正のための運動をさらに強めてきた。
使用するつもりがないならひとは、死に至る弾薬で武装した特殊部隊を、民間の船に派遣したりはしない。マヴィ・マルマラ号を攻撃し、乗客を殺すイスラエルの目的が、連帯活動家たちを怖がらせ、将来のパレスチナ人への連帯活動を妨げることであったなら、それは見事に失敗した。
直後に、大規模デモンストレーションが世界中で起こった。エジプトは、ガザとのラファ検問所開放の激しい圧力を受けた。
将来の小艦隊に参加したい活動家たちがわたしにアプローチしてきた。第一自由小艦隊は、イスラエルが、港から出立を - 破壊との組み合わせで、船団が出航を予定していたギリシアに圧力をかけ続けても、第二の小艦隊を止めなければならないと感じるほどイコンとなった。
イスラエルの残忍性の象徴公海で船団を攻撃し、拉致されイスラエル刑務所に投げ込まれた乗客たちを、撃ち、テイザー(スタンガンのような主にテイザー社が製造する武器の類いによる襲撃、「グーグルする」と同様の固有名詞の動詞化 - mizya)し、殴り、自尊心を傷つけてまで、電動車椅子、ベビーフード、コンピュータがガザに到達するのを妨げるのに、いかにイスラエルがそれほど死にものぐるいだったか、今日、マヴィ・マルマラ号は象徴化する。
イスラエル特殊部隊は、電話、カメラ、ヴィデオすべてを取り去り、攻撃映像すべての破壊を組織的に試みた。これにも拘らず、隠して持ち出されたいくつかの画像が、生存者たちの証言と合わせ、イスラエルの犯罪的活動を暴露した。
イスラエル軍は、パレスチナの男・女・子どもたちを攻撃し、逃れることに慣れている。彼らは、単純に、わたしたちに同様の手口を使った。しかし今や、少なくとも、それは気付かれずに、そして抗議なしに、起こり得ない。
今日のごとく鮮明なテロ2010年5月31日後、わたしは、感情を完全に表わすこと不能な、マヴィ・マルマラ号に対する攻撃の証人とならなければならない数ヵ月を過ごした。2年が経ち、記憶はまったく同様鮮明だ。
わたしは、非武装の乗客たちに発砲する準備を整えた、最新の武器で寸分の隙なく武装した特殊部隊で逆立つ、イスラエル軍艦とゴムボート見るため、夜明け前、デッキに上ったのを忘れない。わたしは、船の上のヘリコプタが回る音、マヴィ・マルマラ号の甲板に急襲してくる特殊部隊を忘れない。
わたしは、Cevdet Kılıçlarがストレッチャーで、わたしが立っていた - イスラエルの攻撃前はカフェだった - わたしたちが座り、お茶を飲み、互いに知りあった主要な場所のひとつ、デッキの後に運ばれるのを忘れない。
Cevdetは、イスラエル特殊部隊に上から前頭部を撃たれたとき、攻撃を撮影していた。わたしが階下に行くよう告げられたとき、空気中の弾丸の音を、そして、わたしたちは抵抗するつもりはなく緊急の医療支援を必要とすると語る発表がわたしたちの拡声器からなされる中、わたしたちが、遺体、死につつあるひと、そして重傷者たちとデッキに坐りながら、果てしなく待つ時間を忘れない。
わたしたちは、105分間というもの、レーザー照準を備えた銃が、窓越しにわたしたちの頭に向けられていたことを別にして - イスラエル軍からの返答を持たなかった。
わたしは、イスラエル特殊部隊が船を襲った後、わたしたちの何人が殺されたのかも知らないまま、うだる太陽の下のデッキで手錠されたわたしたち皆を忘れない。
トルコ政府の介入と国際的憤慨が、刑務所からわたしたちを解放するようイスラエルに強いた後、窓のない犯人護送車で空港に運ばれたこと、わたしのトルコの友人、Cigdemの動きをなくした顔を見たこと、そしてそのあと、イスタンブール行きの飛行機に搭乗して一緒に坐り、わたしたちと共に拉致され投獄された他を見たときの、わたしの手の彼女の絶望的握りを、わたしは忘れない。Cigdemは、イスラエル特殊部隊によりマヴィ・マルマラ号で殺された彼女の夫の遺体を置いて離れることを拒絶した。
イスラエル刑罰免除の終わり2010年5月31日を押しあける夜明け前に起こったことのわたしたちの集合的記憶は、個々の証言を通し、国連人権評議会 (UNHRC) の調査でとられた目撃者陳述を通し、そしてトルコで現在とられている法的行為を通し、ともに織りあげられた。
イスラエルは、刑罰免除での国際法違反に慣れており、また、国際機関は一貫して、パレスチナ民衆に対するその犯罪の応報をイスラエルにもたらし損なった。その一方、イスラエル内部調査は、マヴィ・マルマラ号で起こった、また2008年-09年の虐殺で、ガザのサムーニ家の殺戮といったような犯罪の、それら責任を窮地から救うためにのみ奉仕する(参照:アリ・アブニマ、
「パレスチナ人への正義の扉が閉ざされる」、Al Jazeera English、2012年5月7日)。
イスラエル軍による攻撃が「契機に対し均衡を欠いたばかりでなく、完全に不必要で信じがたい暴力のレベルを示威した」と結論する、
マヴィ・マルマラ号へのイスラエルの攻撃に関するUNHRC調査は、この契機でのわたしたちにとってばかりでなく、すべての契機でパレスチナ人にとり、正義を運用するイスラエル・システムの悪名高い拒絶を、さらに強調する。
それで、600万ドル支払いのトルコの拒絶と、代りに、イスラエルの将官トップ4人の起訴は、イスラエルにとり「刑務所免除獲得」カードには有効期限があるとの気がかりな信号だ。世界中で増大するパレスチナ連帯は、イスラエル政府に、パレスチナ人あるいはその支持者たちに、それ(イスラエル政府)が開始する攻撃すべてが、それ(イスラエル政府)があまりに残酷に抑圧する人びとへの国際的連帯を活気づけるのみとの明確なメッセージを送るだろう。
Sarah Colborneは、英国のパレスチナ連帯キャンペーン代表。原文:
The Electronic Intifada