被占領パレスチナ領域の水供給が、イスラエル占領当局により採択される懲罰的措置のため、不確かで危険になっていると、パレスチナ水当局の前局長、ファデル・カウシュにより準備された報告は主張する。
水に関する非人道的イスラエル政策が、パレスチナ人により通常の日常生活に必要とされる水の莫大な欠乏に帰着してきたと、報告は述べる。カウシュ氏によると、パレスチナ人各々は、浄水を1日当たり62リットルしか受け取らない。「これは、世界保健機構 (WHO) 基準による1日一人当たり必要量の50パーセントに過ぎない」。
イスラエルは、パレスチナの天然水源の殆どを支配している。彼らは、パレスチナ人に、真実、新鮮な地下水に到達しない表面的井戸を掘る認可のみを与える(イスラエル人入植者らに300m掘るのを許す一方、そこに住んできたパレスチナ人に許されるのは160mまで:アーカイヴ記事参照)。西岸地区の多くが、水ネットワークへのアクセスを奪われ、トラクターに引かれる配水タンクに依存する。「それらは、正規の水質検査や他の衛生的問題(の検査)を受けておらず、安全でない」と、報告は述べる。「そうしたタンクの水の価格は、村々ばかりでなく都市においても、もうひとつの問題だ」(アーカイヴ記事参照)。
パレスチナ人により消費される水の50パーセント以上が、イスラエル人から買われる。仮に彼らが供給を止めるなら、パレスチナ人すべてにとり、利用可能量は、1日当たり32リットルまで減少するだろうと、報告は述べる。「これは、パレスチナ人が、彼ら自身の水に関して主権を持たない限り、現実の脅威下で生きていることを意味する」と、カウシュは付け加えた。
報告はまた、過去15年にわたる気候変動が、被占領西岸の自然水利を65パーセント以上減少させてきたと示唆する。「これは、要求が増大する一方、供給が減少することに加え、天然水源への余分圧力となる」。報告は、要求が供給を上回るアルファレア、アルオジャ、ファサイール水泉の例を示した。
ガザ回廊で、状況は、イスラエルによる続く封鎖で、西岸でのそれより急速に悪化している。「ガザ回廊での水危機は、悪化する健康と環境状況に帰着してきた」と、報告は述べる。「地下水源の殆どは、肥料に汚染されてきて、使用するのに安全でない」。
報告は、ガザの人びとが、日常の必要のため、まだ地下水帯水層を使っているが、飲料には、商業企業で売られる濾過水に依存すると説明した。
原文:Middle East Monitor
アーカイヴ:一滴でない:イスラエルが子ども時代の思い出と共に泉を奪う(2011年12月21日)
ラベル:世界保健機構 (WHO) 水