イスラエルの戦争映画「レバノン」の監督は、イスラエル映画に対する抗議でスポットライトを浴びる女優のジェーン・フォンダが審査員の中にいたら、土曜日にヴェネチア映画祭で最優秀賞を勝ち取っていなかったかもしれないと語った。
「わたしのもののような映画の趣旨は、人々に重要な問題で互いと話すよう対話を始めることにある」と、Samuel Maozは、日曜日にイギリス紙、Observerに掲載されたコメントで語った。
「これは、映画がボイコットされるならできないことだ。芸術をボイコットすることに意味ない。おそらくジェーン・フォンダが審査員だったら、彼女は審査員でなかったけど、わたしは受賞していなかっただろう」
72歳のフォンダは、トロント国際映画祭がテルアヴィヴに関する一連の映画を上映する決定に異議を申し立てる書簡の署名者のひとりである。
全文:HAARETZ.com
ジェーン・フォンダが署名人のひとりの「トロント宣言」は、イスラエル映画をボイコットするものではない(アーカイヴ「トロント宣言」参照)。トロント映画祭が「テルアヴィヴ」をことさら取り上げることによって、イスラエルのパレスチナ占領、パレスチナ人への弾圧を覆い隠す、いわばイスラエルのプロパガンダに利用されていることを非難しているのだ。だからSamuel Maozの言い分は見当違いも甚だしい。わたしは芸術がボイコットされるべきではないとも思わない。イスラエルのマジョリティーが政権を支持し、変える力を持ち得ないのだから、ボイコットは有効な手段と考えている。「ダイアローグ」のことばは美しいけれど、「対話」の前提は「対等」の立場、「占領者」が「被占領者」に「ダイアローグ」というのは欺瞞にしか聞こえない。
アーカイヴ:トロント宣言:占領に祝賀はない(09月06日)