代表取締役社長 金井政明 様
良品計画がイスラエルのカイリグループと提携し、2011年、テルアヴィヴかエルサレムへの出店を計画していると知り、興味深く眺めております。
南アフリカに対する反-アパルトヘイト運動の時と異なり、インターネット時代の今日、世界中から、イスラエル出店に抗議する同様の文書が届いていることでしょう。それらから、イスラエルの犯罪については充分学ばれたことでしょう、あるいは「当社の願いは、紛争の原因となっている諸問題と離れ」ているので、学ぶつもりはないのかもしれません。しかし「経済行動」は「政治」からの影響を免れることはできません。
良品計画のウェブサイトに、イスラエルへの出店理由として「2008年秋以降の世界経済不況の影響下でもわずかながら成長しており、2010年は復調の兆しが見える」とありましたが、どのような状況下でこのわずかながらの「成長」を果たし得たのか検討なさったでしょうか。パレスチナの土地を奪い水を奪い資源を奪って、いわば投資の必要ない強奪を基盤とした上に立脚する経済活動を「成長」とみなしていいものか疑問です。現にイスラエルの、ことさらイスラエル占領地、ヨルダン川西岸地区に、第四次ジュネーヴ条約に反して建設された入植地で生産される商品に対する世界的ボイコットで、イスラエル政府は、入植者らから「ボイコット」により生じた損失を補償するよう求められています。つまり世界的圧力はイスラエルに、今まで「強奪」したものを「返却」するよう求めているのです。「強奪」したものが、そのまま「負債」となりつつある国に出店を考えることは、経済的観点のみを考慮しても、正当な判断とは言えません。
あなたたちがイスラエルに1店舗を出店するなら、トルコの2店舗にはピケが貼られ、結局、撤退に追い込まれる、そのリスクを株主に説明なさいましたか。経済活動にリスクはつきもの、しかしそのリスクを想定できないなら経済人としては失格です。そのようなリスク負ってまで、イスラエルに出店する価値があるのかどうか、良品計画の今後の判断を注視していきたいと思います。
良品企画に送ったイスラエル出店への抗議文を公開。株主必見、だってこの決定はリスクがありすぎる。
抗議文の送り先はここ:良品計画「お問い合わせ」
アーカイヴ:「無印良品」がイスラエルに出店(05月06日)