2010年11月17日
入植地の化学工場は、パレスチナの土地を有害廃棄物で汚染し、発癌性煙霧に住民を晒す。工場労働者たちは、雇い主が防護服を提供しないので、より癌になりやすい。Sophie Croweの特別報告。
Nitzanei Shalom (平和の芽) 工業地帯は、西岸の町、ツルカレムとイスラエルとの境界の間に位置する。土地は、80年代に、イスラエルでは違法の、危険な化学工場の用地として開発するためイスラエル軍により収用された。Geshuri インダストリーは、そうした工場のひとつで、害虫駆除剤、殺虫剤、肥料などを製造している。それは元々、裁判所が健康障害を布告するまで、イスラエルの町、クファル・サバにあり、1982年に閉鎖に追い込まれた。所有者は、工場をNitzanei Shalomに移転して、イスラエルの厳しい環境法を避けた。
このような危険な工場は通常、パレスチナ自治政府が権限を持たない、イスラエル民事行政(イスラエル占領軍民事部門)の管轄の下、入植地に出現する。パレスチナの法律は、これら用地開発に対抗するには無力だ。
Geshuriは、工場の化学廃棄物で荒廃した農地に囲まれる。樹木はその葉を失い、大地の殆どは最早、農業に使用できない。ある野菜は、工場から100mの汚染された土で育ち、近くの町の市場で販売される。
カイロ大学のキファイア・アブ-エルフダ博士は、西岸の化学工場の環境への影響の大規模調査を行った。「ツルカレムとサルフィド地区の西の窪地は、残りのパレスチナの土地にとり、非常に重要だ。地下水が、汚染に反応しやすい地表に非常に近い」と、キファイアは語る。彼女は、西の窪地の井戸水すべてが汚染されていると考えている。大気汚染は、地域住民に、呼吸器疾患と目の感染症をもたらす。「Geshuriがツルカレムに移って、毒性煙霧に起因する発癌率が増加した」。工場近くに住む家族全員が、現在、喘息にかかっている。
Geshuri工場は1年の内、風が煙霧を西岸に吹かせる11カ月作動する。風が変わってイスラエルに吹く期間、毒性煙霧がイスラエルの環境を汚染しないのを保証するため、工場は休業する。
(略)
全文:Palestine Monitor
核廃棄物もまた西岸に投棄される。しかし西岸は、パレスチナの市町村を分断するためにユダヤ人入植地を配置しているので、入植地が必ず要塞のように丘の上に建設されるとはいえ、まったく影響を免れる訳ではない。