2011年12月20日火曜日
最新版:2011年12月21日
ローザンヌのMusée de L’Elyséeが、2011年のラコステ賞を保留した
オリジナル掲載
ラコステ・エリゼ賞により検閲されたラリッサ・サンスールの「Nation Estate(民族財産)」プロジェクト画像 (Larissa Sansour)
高級フランス衣類チェーン、ラコステは、商会からの後援で、スイスのMusee de l'Elyseeにより与えられるラコステ・エリゼ賞25,000ユーロ(250万円ほど)候補者名簿から、パレスチナ美術家、ラリッサ・サンスールの作品除去を要求した。
「あまりにも親-パレスチナ」のパレスチナ人
サンスールは、2011年の賞の最終選考リストに残った8人のひとりだった。サンスールにより出されたプレス・リリースによれば、「ラコステは、『あまりにも親-パレスチナ』とラベルを貼り、サンスールの作品支持の拒絶を明言した」。
この、文化協会によるパレスチナ芸術家の明白な検閲の最新の事例は、カリフォルニア、オークランドの子ども芸術博物館が、反-パレスチナのシオニストグループからの圧力下、計画された開始直前、ガザの子どもたちによる美術展を検閲した後、僅か数ヶ月で現れた。
サンスールは自発的に撤退するとの声明への署名を拒絶する
ロンドン拠点のサンスールは、被占領西岸、ベツレヘム出生だ。プレス・リリースは説明する:
指名者としてサンスールは、奨学金4,000ユーロを与えられ、最終審査のための画像集制作に白紙委任を与えられた。2011年11月、サンスールの「ネイション・エステイト」プロジェクト写真3枚が受理され、彼女は、賞管理者たちにより、その作品と専門性を祝福された。サンスールの氏名は、公式指名者として、賞に関する印刷物すべてとウェブサイトに含まれた。彼女の氏名は、ちょうど彼女のプロジェクトが、指名された芸術家を紹介する現代芸術誌、ArtReviewの今号から退かせられたように、以来削除された。
彼女の退去の理由を隠す試みで、サンスールは、「別の機会を追い求めるため」彼女の指名から撤退すると述べる声明を承認するよう求められた。サンスールは拒絶した。
(略)
サイエンス・フィクションとしてのパレスチナ国家をイメージする
サンスールのマルチメディア・プロジェクト、「ネイション・エステイト」は、国連加盟のパレスチナ努力の跡を追って考えだされた。ネイション・エステイトは、全パレスチナ人口を収容するひとつの超高層ビルの形をとる、サイエンス・フィクション風のパレスチナ国家を描写する。この新しいネイション・エステイトの中で、住民は、それぞれの階に、彼らの失われた都市を再創出した:エルサレムは3階、ラマッラは4階、サンスールのホームタウン、ベツレヘムは5階、といったように」。
(略)
ラコステ・エリゼ賞により検閲されたラリッサ・サンスールの「Nation Estate(民族財産)」プロジェクト画像 (Larissa Sansour)
全文:The Electronic Intifada
ラコステは審査員ではない。スポンサーだからといって、審査の領分に踏み込むべきでない。「金を出す以上、口も出したい」と考えるなら、初めから賞金など出すべきでない。「ラコステ」を冠する賞ならば、賞金はいわば「広告費」だ。審査の領分に踏み込んだことで、ラコステは「いなかのおっさん用ポロシャツ屋」の馬脚を現した。ローザンヌのMusée de L’Elyséeは、サンスールに作品の撤退を迫るより、ラコステにスポンサーシップ撤退を迫るべきだった。こんなことを許すなら、ラコステは再び口を出してくるだろう。たかだか25,000ユーロで...