2011年12月23日

フランス衣類商会ラコステが名声のコンテストからパレスチナ美術家ラリッサ・サンスールを追放

Ali Abunimah
2011年12月20日火曜日
最新版:2011年12月21日

ローザンヌのMusée de L’Elyséeが、2011年のラコステ賞を保留した

オリジナル掲載

2. Nation Estate - Jerusalem Floor.JPG.jpg
ラコステ・エリゼ賞により検閲されたラリッサ・サンスールの「Nation Estate(民族財産)」プロジェクト画像 (Larissa Sansour)

高級フランス衣類チェーン、ラコステは、商会からの後援で、スイスのMusee de l'Elyseeにより与えられるラコステ・エリゼ賞25,000ユーロ(250万円ほど)候補者名簿から、パレスチナ美術家、ラリッサ・サンスールの作品除去を要求した。

「あまりにも親-パレスチナ」のパレスチナ人

サンスールは、2011年の賞の最終選考リストに残った8人のひとりだった。サンスールにより出されたプレス・リリースによれば、「ラコステは、『あまりにも親-パレスチナ』とラベルを貼り、サンスールの作品支持の拒絶を明言した」。

この、文化協会によるパレスチナ芸術家の明白な検閲の最新の事例は、カリフォルニア、オークランドの子ども芸術博物館が、反-パレスチナのシオニストグループからの圧力下、計画された開始直前、ガザの子どもたちによる美術展を検閲した後、僅か数ヶ月で現れた。

サンスールは自発的に撤退するとの声明への署名を拒絶する

ロンドン拠点のサンスールは、被占領西岸、ベツレヘム出生だ。プレス・リリースは説明する:

指名者としてサンスールは、奨学金4,000ユーロを与えられ、最終審査のための画像集制作に白紙委任を与えられた。2011年11月、サンスールの「ネイション・エステイト」プロジェクト写真3枚が受理され、彼女は、賞管理者たちにより、その作品と専門性を祝福された。サンスールの氏名は、公式指名者として、賞に関する印刷物すべてとウェブサイトに含まれた。彼女の氏名は、ちょうど彼女のプロジェクトが、指名された芸術家を紹介する現代芸術誌、ArtReviewの今号から退かせられたように、以来削除された。

彼女の退去の理由を隠す試みで、サンスールは、「別の機会を追い求めるため」彼女の指名から撤退すると述べる声明を承認するよう求められた。サンスールは拒絶した。

(略)

サイエンス・フィクションとしてのパレスチナ国家をイメージする

サンスールのマルチメディア・プロジェクト、「ネイション・エステイト」は、国連加盟のパレスチナ努力の跡を追って考えだされた。ネイション・エステイトは、全パレスチナ人口を収容するひとつの超高層ビルの形をとる、サイエンス・フィクション風のパレスチナ国家を描写する。この新しいネイション・エステイトの中で、住民は、それぞれの階に、彼らの失われた都市を再創出した:エルサレムは3階、ラマッラは4階、サンスールのホームタウン、ベツレヘムは5階、といったように」。

(略)

1. Nation Estate - Main Lobby.jpg
ラコステ・エリゼ賞により検閲されたラリッサ・サンスールの「Nation Estate(民族財産)」プロジェクト画像 (Larissa Sansour)

3. Nation Estate - Olive Tree.jpg

全文:The Electronic Intifada


 ラコステは審査員ではない。スポンサーだからといって、審査の領分に踏み込むべきでない。「金を出す以上、口も出したい」と考えるなら、初めから賞金など出すべきでない。「ラコステ」を冠する賞ならば、賞金はいわば「広告費」だ。審査の領分に踏み込んだことで、ラコステは「いなかのおっさん用ポロシャツ屋」の馬脚を現した。ローザンヌのMusée de L’Elyséeは、サンスールに作品の撤退を迫るより、ラコステにスポンサーシップ撤退を迫るべきだった。こんなことを許すなら、ラコステは再び口を出してくるだろう。たかだか25,000ユーロで...
posted by mizya at 23:24| Comment(1) | TrackBack(0) | article | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
広島市現代美術館で、2月5日まで、パレスチナの悲劇をSF映画になぞったラリッサ・サンスールの映像作品「A Space Exodus」を、開館中ずっとリピート上映で観ることができます。
Posted by abc at 2012年02月01日 16:35
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック