2012年06月06日
ナビル・アッライー
ジェニン自由劇団委員会のFelice Gelmanにより更新:
昨夜、イスラエル武装部隊が、ジェニンの自由劇団美術監督、ナビル・アッライーの家を襲撃し、彼を逮捕、彼の3歳の娘、ミナを怯えさせた。自由劇団マネジャー、Jonatan Stanczakは、兵士らに、なぜ彼らがアッライーを拘留するのか訊ねた。彼らは、述べることを拒絶した。「得る唯一の返答は、顔に向けられる銃」と、Stanczakは語った。Al Arabiyaによれば、ライーが「非合法活動の容疑で、夜のうち、ジェニンで逮捕された」と語り、イスラエルはその事件を認めた。
これは、過去12ヵ月で、イスラエル部隊が、自由劇団のスタッフか委員会のメンバーを逮捕した6回目を記す。加えて、イスラエル公安との「協力」と「調整」を吹聴するパレスチナ保安部隊が、自由劇団共同創立者、ザカリア・ズベイディを2度逮捕した。このとき、ズベイディは、告訴なく続く3週間、エリコ刑務所に捕らえられた。そしてもちろん、同じイスラエル・パレスチナ保安部隊は、実質的な法医学的証拠の存在にも拘らず、2011年4月の、自由劇団共同創立者で監督のジュリアーノ・メル・ハミスの未解決の殺人事件のどのような真剣な調査も行ってこなかった。代わりにイスラエルは、自由劇団のパレスチナ人スタッフ・メンバーたちを、脅す尋問のため、Salem軍事基地に繰り返し呼び出してきた。Stanczakは「通常、これら尋問は『我々はおまえがジュリアーノを殺したやつだと知っている、なぜ彼を殺したのか?』で始まる」と語った。
自由劇団の犯罪は何か? 劇団は、占領に対する抵抗としての芸術の唱道でよく知られる。劇団は、恣意的力の圧倒的賦課の根源に直面する個々の精神のジレンマを引き起こす、古典と新たに書かれた戯曲の絶賛された演出を批判的に上演してきた。これらは、アリス(「不思議の国のアリス」に鼓舞されたオリジナルのミュージカル作品)、動物農園、待ちながら(「ゴドーを待ちながら」のパレスチナ脚色)、パレスチナ断章、次は何?を含む。これら作品のいくつかは、上演者たちが旅するため、必要な許可を得ることで、極端な困難なしとは決していかなかったにも拘らず - ヨーロッパと合衆国をツアーした。「待ちながら」の事例で、イスラエル軍は、5人(登場する)作品での主要演技者を逮捕し、リハーサルの最終2ヵ月を通し、彼を投獄した。
イスラエルは、国際便のため、西岸パレスチナ人にとって唯一のアクセス、ヨルダンへの国境を通過するヴィザや許可を申請するため、俳優や技術スタッフが領事館に接近するのを否定することにより、自由劇団の国際的公演を頻繁に妨害してきた。西岸内の公演は、部隊で公演会場を取り囲むイスラエル軍により悩まされてきた。自由劇場で公演する予定だったフランスのサーカス団は、イスラエルにより、パレスチナ入域を否定された。
西岸北部、ジェニン難民キャンプ、自由劇団からのプレスリリース、2012年6月6日
午前03:15頃、イスラエル軍が、自由劇団美術監督、ナビル・アッライーの家に入り、彼を不明の場所に連れ去った。
ナビルの妻、ミカエラ・ミランダは、何が起こったか説明する:「犬が吠え始めたので、わたしは外に出て、兵士らが門を飛び越え、家の庭に入って来るのをみた。彼らがわたしの夫を求めたので、わたしは何のためか訊ねた、知るのはわたしの権利でそれはわたしの家だから。兵士らは、わたしに告げるつもりはないと返答した。彼らはそしてナビルを捕らえ、彼を軍用ジープに連れて行き、走り去った。彼がなぜ、どこに捕らえられるのか、わたしたちは知らないので、とても心配している」。
自由劇団の経営責任者、Jonatan Stanczak:「わたしは、ナビルの上の階に住んでおり、何か起こっているのを聞いたとき、わたしはヘブライ語を話すので、兵士らと話そうと下に行こうとした。家は覆面のイスラエル兵士らに囲まれており、彼らの3人が、即座にわたしに武器を向け、家に押し戻した」。
イスラエル軍の地方調整事務所と連絡を取る試みが即座になされたが、そのかいもなかった。ナビル・アッライーを含む自由劇団従業員の半分以上が、最近、イスラエル軍により尋問に呼ばれた。すべてが、予定された通り訪問を果たし、彼らが威圧され脅されさえしたにも拘らず、なされた質問に彼らの知る限りを答えた。
Jonatan Stanczakは続ける:「わたしは、彼らがシンプルにナビルに電話することができ、彼がどんな質問にも、あるいは彼らが抱く懸念にも、答えに行っただろうことを知っていて、なぜこんなことをするのか理解できない。過去、あまりにも何度もこのようなことが起こって以来、わたしは、イスラエル軍による、自由劇団の従業員たちとその家族への続くハラスメント以外の何ものでもないと解釈せざるを得ない」。
この時点で、自由劇団の他のメンバーが、夜のうちに捕らえられたかどうか定かでない。彼らの何人かは電話しても応答がない。
原文:Mondoweiss
アーカイヴ:公開書簡:ジェニン自由劇団からイスラエル公安組織へ(2011年08月15日)
:ジェニン自由劇団がイスラエル軍に襲撃される(2011年07月28日)
イスラエルがパレスチナの文化・芸術を弾圧するとき、イスラエルとの「文化交流」推進を図るものが、「文化・芸術はボイコットされるべきでない」と言うのは内実を伴わない。ボイコットでなく、はるかに暴力的弾圧ならいいのか。
ロンドン、グローブ座でのイスラエル国立劇団、ハビマ公演に対する運動は素晴らしかった。ことさらシャイロックの台詞「ユダヤ人は目なしだとでも?」をもじって「パレスチナ人は目なしだとでも?」と叫んで追い出された男、シェークスピアの国だから、だろうか。ここ、東京ではどのような運動が展開されるだろう、イスラエル政府が出資するエウリピデスのギリシア悲劇(どうでもいいことだけれどエウリピデスは好みでない、彼にソープオペラ創始者の名誉を与えたい)に対して... いや、何も起こらないだろう、この国では。いとも簡単に原発再稼働を許す国だから。